石川 亮 司法書士事務所
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相続
相続の発生
相続は、死亡によって開始します。死亡以外の相続原因はありません(以前は隠居という制度がありました)。
そして、相続開始と同時に、相続人は財産上の権利や義務を全て引き継ぐことになります。注意して欲しいのは、財産だけではなく、借金も相続されるということです。財産よりも負債のほうが多い場合には、相続人は相続放棄の手続をとることが一般です。
このページの一番上へ相続手続の順序
相続が開始したら。
相続手続きはだれもが経験するものです。しかし、それは突然やってくることも多いし、1年に何度も経験することではありません。遺産分割協議で仲の良かった兄弟が喧嘩することもあるし、相続財産に借金が多ければ限定承認や相続放棄をしなければならないこともあります。相続手続きは間違えると取り返しがつかない場合もありますから慎重に手続きを進めてください。わからないことがあれば遠慮なく専門家に相談するべきです。
相続手続の流れ
| 1 |
遺言書の発見 |
相続が開始されたら、まずは遺言書の有無を調べます。 |
| 2 |
相続財産の調査 |
相続財産がどれだけあるか調べます |
| 3 |
相続人の確定 |
法律上相続人が誰であるかを確定します |
| 4 |
遺産分割 |
誰がどの財産を引き継ぐかを、相続人全員で決定します |
| 5 |
名義変更 |
不動産、預貯金通帳、株券、自動車などの名義を相続人に変更します |
| 6 |
相続税の申告・納付 |
相続税を申告する必要がある人は、相続税を納めます。 |
1 遺言書の発見
相続の開始があったら、まずは遺言書の有無を確認してください。
遺言は、本人の意思を、本人死亡後にも反映させる法律行為であり、遺産相続の際には最優先されることになります。
自筆証書遺言が見つかった場合・・・遺言書を開封せずに、家庭裁判所で検認手続を受け てください。検認は遺言の偽造・改竄を防止するための手続であり、遺言の効力とは直接関係はありません。しかし、検認を受けずに遺言の内容を執行すると過 料の制裁がありますので注意してください。
公正証書遺言が見つかった場合・・・公正証書遺言の場合には検認の手続は不要です。公 証役場に原本が一部保存されていますので、偽造・改竄の恐れがないからです。遺言の内容どおりの手続を順次行って結構ですが、遺言執行者が選任されている 場合には、遺言執行者が手続を進めることになります。
2 相続財産の調査
被相続人が生前所有していた財産を調査します。財産の価額の決定は、相続税の申告の有無や相続放棄の必要性に関係しますので、財産目録を作成するのがいいでしょう。財産の調査に漏れがあると、遺産分割後に相続人間でもめる場合もありますので、注意してください。
財産よりも借金が多い場合には、相続放棄をする必要があります。
3 相続人の確定
相続人の順序と範囲
| 第1順位 | 子(胎児を含む) | 実子と養子、嫡出子と非嫡出子の間に順位の差なし |
| 第2順位 | 直系尊属 | 親等の近いものが優先する |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 | |
| 常に相続人 | 配偶者 | 常に相続人と同順位 |
※代襲相続・・・相続の開始前に子もしくは兄弟姉妹が死亡している場合には、子の子もしくは兄弟姉妹の子が相続人となる
4 遺産分割
相続人が確定したら、相続人間で各自の相続分を決定します。
相続財産は、相続人の全員の同意があれば、自由に決めることができます。相続人の一人 に全て相続させてもかまいません。しかし、相続人間で協議が整わない場合には、各相続人は自己の法定相続分の主張をすることができます。話し合いで決まら なければ、家庭裁判所に調停の申立をして調停で決めることになります。
遺産分割は必ず相続人全員で行わなければなりません。相続人が未成年者や胎児であれば特別代理人を、行方不明者であれば財産管理人をそれぞれ家庭裁判所に選任してもらわなければ遺産分割を行うことはできません。
法定相続分
| 子と配偶者 | 子2分の1 配偶者2分の1 | 子が複数の場合、2分の1を均分。非嫡出子は嫡出子の2分の1 |
| 直系尊属と配偶者 | 直系尊属3分の1 配偶者3分の2 | |
| 兄弟姉妹と配偶者 | 兄弟姉妹4分の1 配偶者4分の3 | 父母の一方のみを同じくする半血の兄弟姉妹は、父母の双方を同じくする全血の兄弟姉妹の相続分の2分の1 |
5 名義変更
遺産分割 協議が整ったら、不動産、預貯金通帳、株券、自動車などの名義変更を行います。各種手続の方法や必要書類は各自異なりますので、お問い合わせください。
6 相続税の申告・納税
相続が発生すれば、全ての場合に相続税が発生するわけではありません。相続財産から一定の割合で基礎控除が認められていますので、その金額を超える場合にのみ相続税の申告が必要になります。
| 基礎控除の算式 | 5000万円+(1000万円×法定相続人の数) |
※養子は相続税の計算上制限があります。実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合には2人までとなります。
このページの一番上へ相続の放棄
相続の放棄
相続の放棄をしようとする人は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に家庭裁判所に申述しなければなりません。
遺産分割の中で、「自分は財産はいらない」と主張することは自由ですが、法律上の相続放棄にはなりませんので注意が必要です。特に被相続人に多額の借金がある場合などは必ず家庭裁判所に相続放棄の申述をしてください。
相続放棄の効力
相続の放棄をした人は「初めから相続人とならなかった」ものとみなされます。
相続の開始を知ったときから3か月を経過してしまった場合
相続の開始から3か月が経過していても、相続放棄ができる場合があります。「3か月以内に相続放棄をしなかった場合でも、それが被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態そのほか諸般の状況からみて、当該相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があって、相続人において右のように信ずるについて相当な理由があると認められるときは、相続人が相続財産の全部もしくは一部の存在を認識したときから起算する」という有名な判例があります。
このページの一番上へ限定承認
相続によって得た財産の限度において、被相続人の債務及び遺贈を弁済するという条件で相続を承認するという相続の一形態です。
被相続人に財産もあるが債務も相当あり、最終的にプラスになるかマイナスになるかわからないときに有益な手続きです。
たとえば、被相続人名義の不動産・預金はあるが、被相続人が友人・知人の借金の保証人になっており正確な債務額がわからない場合等にこの手続きを選択する余地があります。
① 熟慮期間内(原則として自己のために相続の開始があったことを知ってから3ヶ月以内)に財産目録を作成して、相続人全員で相続開始地の家庭裁判所に限定承認の申述をする。
② 申述受理後、五日以内にすべての債権者及び受遺者に対し、限定承認をしたことと二ヶ月以内の一定の期間内に債権の請求の申出の公告をしなければならない。
③ 公告期間満了後に、各債権者に対する配当手続き(清算業務)を行う。
上記のように、限定承認手続きは非常に面倒な手続きです。もし、手続きを誤って不当な弁済があったとされると、債権者や受遺者に対する損害賠償責任を負わなければなりませんので、手続きを検討される方は、専門家に相談することをおすすめします。
清算の結果、残余の相続財産があればその相続財産は相続人に帰属します。どんなに債務が大きくても相続財産を超えて債務を支払う必要はありません。
遺産分割協議
遺産分割とは、相続人全員が参加して、相続財産について誰が何をどれだけ受け継ぐのかを話し合うことをいいます。遺産分割協議には、相続人全員の参加が必要で、全員が参加しない遺産分割協議は無効です。
遺産分割の方法
具体的な分割方法は、相続人全員の合意があれば自由に決定できます。ただ、実際の分割方法には、主に以下の3つの方法が用いられます。
①現物分割
一つ一つの相続財産について、相続人の誰が何を取得するかを具体的に決定していく方法です。たとえば、被相続人が残した財産が不動産・預金・株式であり、相続人がA・B・Cの三人だとします。A・B・Cが話合いで、不動産はA、預金はB、株式はCが取得するというように、個々の財産をそのままの形で相続人が取得することができます。
②換価分割
相続財産を売却し、現金にした上でそれを相続人間で分け合うという分割方法です。
③代償分割
遺産分割によって価値の高い財産を取得した相続人が他の相続人に対して、その取得した財産との差額を支払う方法です。たとえば、被相続人の残した財産が不動産のみで、相続人がA・Bの二人だとします。A・Bの話し合いで、Aが不動産を取得する代わりに、AはBに対して金100万円を支払うという方法です。
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